シルフィーネの一日

(ガーディアンズコロニー:オリジナル)


 私の一日は人間にとってはとても早いらしいです・・・。
 しかし、パートナーマシンナリーの私には寝不足という言葉は無いので、特に不自由はしません。
自己診断プログラムスタート・・・終了、異常無し。
まずは工房へ行き、SUVの整備をします。先日は確実に捉えたと思ったのに、見事にかわされました。ロックオンから発射までのプログラムを修正。これで、今度こそあのぐうたらへっぽこ剣士を・・・コホン、失礼しました。

「あ、おはようございます〜」
工房から出てくると、りりなさんが起きてくる時間となっていました。ふとした事でうちのへっぽこと一緒に行動するようになったビーストの娘さんで、正直「あれ」にはもったいないいい娘です。
と、言っている間に、りりなさんはキッチンで朝食の支度を始めているので、その間に宿舎の前の掃除でもしましょう。
「お、シルフィーネ様、おはよう」
「おはようございます。アルトさん」
顔に絆創膏をペタペタと貼ったお隣さんが玄関の前で膝を抱えて座っていました。昨夜もレインさんにたっぷりと絞られていたようだし(宿舎の防音は人間に対しては完璧らしいですが、私には聞こえています。)、最終的には締め出されたのでしょう。私にとっては日常になりかけている光景ですが・・・。
とりあえず、掃除とアルトさんにレスタをかけて宿舎内に戻ると、朝食の準備ができていました。

「ラド様〜、起きて下さい〜」
一生懸命あれを起こしているりりなさんと、一向に起きる気配のない「あれ」。これもいつもの光景・・・いっそ、ノス・デイーガでも直撃させて・・・コホン。
紆余曲折の上でやっと起きてくるへっぽこ剣士とりりなさんは朝食、私もエネルギーの補給を行っています。
今日のニュースは、最近のガーディアンのファッションについてでした。TVでは、ダグオラシティで地元の治安機構に拘束されたガーディアンが二人、ビキニにアフロで踊っていたそうです。
最近、ガーディアンの間でミッション中の成績によって罰ゲームを課すチームがあると聞きましたが、それでしょうか・・・
「・・・さんだよ・・・、なぁ〜に、やってるんだか・・・」
へっぽこ剣士の呟きから、どうやら知り合いのようですが、私のメモリーには・・・あ、ありました。戦闘能力は高いとなっていますが、情報の修正が必要のようです。

朝食後、りりなさんはニューデイズへテクターの勉強会へ、へっぽこは宿舎で先日のミッションの報告書を作成・・・のはずですが、TVの前で寝転がっています。
「報告書はいいんですか?」
「ん?この後でぱぱっとやっちゃうよ〜」
・・・いつも、この後は・・・

「うわ〜!!締め切りにギリギリだぁ〜」
・・・やっぱり。仕方が無いので、あらかじめまとめておいた報告書用の情報をへっぽこに提示。
「うわぁ、シルフィーネ感謝感謝〜」
・・・これも、いつものことだったりします。

報告書の提出がてら、ガーディアンズ本部でへっぽこが新型の訓練用シュミレータのテストをしてきたようです。
「あんの野郎、今度こそ・・・第一、ズボン履けってんだ」
と、コーヒーカップを片手にブツブツ言っているということは、散々な目にあったようです。こういった時はコーヒーだけ用意してほっておくに限ります。

夕方、りりなさんが帰ってきて、そのまま夕飯の支度でキッチンへ。
居間で勉強会の資料をなんとは無しに眺めて、眉間にしわを作っているへっぽこ。まぁ、ずっと剣だけで戦っている人間には、「土フォトンと雷フォトンのかけ合わせ時におけるフォトン崩壊現象の考察」なんて資料は読んでも分からないと思います。
夕食時、TVでは「黒コート同好会」によるSEED浄化のニュースをやっていました。
「相変わらず、美味しいとこを持ってくよなぁ・・・あの総取りはん」
「ですねぇ・・・ある意味才能ですよね」
話に出ているのはへっぽこの知り合いのヒューマンの男性で、やたらと幸運に恵まれているとメモリーに残っています。まぁ、そういった不確定要素を除いても、単純な任務遂行能力は極めて高いとなっています。

そんなこんなで夜も更けてきました。
りりなさんが部屋で寝た後、へっぽこは宿舎の庭で剣の素振りをしてたりします。組み手を申し出たのですが、断られたので私は見ているしかありません。・・・先日、実戦的な方がいいかと、SUVを叩き込んだのがそんなに不満だったのでしょうか?

鍛錬を終えたへっぽこ剣士も寝た後、火の元と宿舎のセキュリティチェックを済ましましたし、そろそろ休止モードに入るとしましょう。
隣でレインさんの声が聞こえます。きっと、朝には、またアルトさんが玄関の前で膝を抱えているでしょうから、お茶でも持っていってあげるとしましょう・・・。


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